現代スサノウの言霊 

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現在の世界

 三千年の昔東漸のユダヤ部族は日本に到着し、その経済運営の才を生かして日本に根を下し、人種的に全く日本民族と同化して常に国家の枢密と関係を持った。第二次大戦以降日本が敗戦の惨状から立ち上り世界が奇跡と呼ぶ経済復興を遂げたのも彼等の後裔の力である。日本はアメリカに次ぐ世界第二の経済大国にのし上がった。  一方西漸のユダヤは三千年にわたる世界放浪の間に、各国の各民族の背後に立ち乍ら彼等の経済力・知的実力を以て各国の実権を牛耳り、今やその活動の根拠地をアメリカ合衆国に置き、表面の手足として各種の国際企業を持ち、その上各国のマスコミ界の内部に強い影響力を行使することによって国際思想の操縦を行い、経済的・思想的に世界統一の事業を着々と進めつつある。更にその成果をひっさげて彼等の先祖であり預言者であったモーゼの魂の故郷日本に向って太平洋を渡る準備を大規模にそして慎重に備えつつある。その目的地日本には己に三千年前に渡来しその地に定着している東漸のユダヤの末裔が待っている。東漸と西漸のユダヤが〝東にてエホバをあがめ海のしまじまにてイスラエルの神エホバの名をあがむべし〟(イザヤ書)〝彼は海の間において美しき聖山に天幕の宮殿をしつらはん〟(ダニエル書)と預言者に約束されたこの日本に於いて再会する日は極めて近い。この事はここ最近の日本とアメリカとの関係を考えれば成程と肯首されるであろう。両国が幾多の経済摩擦を起こしながらそれらを徐々に乗り越え、産業・経済や学問研究の分野に共同合弁の体制を着々と備えつつあることである。日米のパートナーシップが完成するならば、その国際的影響力が如何に強大になるか計り知れぬものがあろう。
 上に見た如く葺不合王朝六十九代神足別豊鋤天皇がユダヤの王モーゼに下した命令…物質的第二文明の創造とそれによる全世界の権力的統一の事業は二つのながら完成に近づきつつある。しかしながらその完成が近づけば近づく程人類の生命に係わる重大な問題が起こって来る。元来科学的探究とは思考の主体を捨象し客体を抽象することによって成立するものであり、それ自体人間生命に対する合目的性を持ってはいない。科学が如何に発達しようと、人生を如何に生きるかに答える力はない。その事が人類の今後の生命維持に重大危機をもたらす事となった。
 その一つは科学技術が高度に発達した結果、人間の生命に深く係わる部分に科学のメスが加えられ、その技術の使用如何によっては人間が人間の種以外に変る可能性さえ出て来た事である。コンピューターの発達は人間の能力の相当部分を代行し得るまでになった為に、ともすればそれが全く人間自体にとって代ることが出来るが如く思われ勝ちとなる。その管理如何では人間が機械に追い廻されこき使われる事にもなりかねなくなった。生化学の研究メスが生命の遺伝子の内部に入った結果、その研究の成果は生命の種を自由に変換させ得るまでになり、新生児の男女性別の生み別けも可能となり、その技術独走は人間の人間ならざる人間への転換という恐怖の現象さえ予想される事態にまで到達した。その他科学技術の発達がもたらす人間生活の便利さの裏にひそむ異常な危険性は枚挙に遑がない程である。以上の予想される科学技術の独走の危険に対する決定的な精神的コントロールの方針はまだ確立されていないのである。
 先に述べた如く国家民族の間の戦争は人類第二の文明である科学と産業の発達のための方便として、神エホバが人類の背後からけしかける仕組の現われである。その戦争に対して人道主義の見地から戦争反対を称えることは、仏・儒・耶等の信仰の発生した理由からしても当然であり正当な主張ではあるが、その戦争の背後にある神の仕組や人類歴史の全趨勢を知ることなき反戦論は片面の真理であるに過ぎない。人道主義のみでは戦争を無くすことは出来ない。かくて宗教的又は観念的な人道主義と生存競争とが常に並存していることがここ二千年の世の有り方であった。須佐男命と月読命との並存、対立する社会であったのである。かくて現在の世界は正像末と釈迦が教えたその末法の世のどん詰まりまで来てしまったのである。