現代スサノウの言霊 

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将来の展望

言霊布斗麻邇の原理に則して人類の将来を展望しよう。勿論人間の歴史は朝が来れば明るくなるといった所謂自然現象ではない。人間の営みはそうあらんとする努力の営みである。これより述べる歴史の将来も一つに人類の今後に責任を感じた志ある人々が言霊原理を勉強し自覚して、自己の魂の中に又社会に向って言霊原理の燈火を高くかかげる事に懸かっている事である。   ここ二十年間に於ける日本の産業・経済の発展は目をみはらせるものがあり、日本の各企業は急速に巨大化し、世界に対する影響力は日増しに強大となりつつある。それにつれて各国間の経済摩擦も問題になっている。しかし種々の障害を乗り越えて日本の企業は更に発展して行く事は間違いない。その過程でアメリカ並びにその他の国との協力・合併その他海外工業建設等々によって各企業は次々と国際企業化するであろう。特にアメリカ産業との提携は目覚しいものがあろう。そしてそう遠くない将来世界の大企業の大部分はその企業の本社を日本に移して来る。本社は日本、支店・工場はアメリカその他世界の各地に置く体制が出来上がって来るであろう。この酔うな将来の展望は次に述べる人類歴史の底流を形成するユダヤ民族の働きに依るのである。
 先に述べた如くユダヤ十二部族の中の東漸のレビの一団は中国の周以降の国家を建て、その一部は商業に秀でた華僑となった。又その先鋒は日本に帰化し、爾来日本の産業経済の中核となり、今日の日本の経済繁栄をもたらしたのである。日本人としての彼等の表面意識からはその事実はすっかり忘れ去られてしまっている。けれど彼等の魂の奥底の記憶を呼び覚ますならば彼等の行動の明瞭な理由が浮かび上がる筈である。何の理由で十二部族のうちの一部族のみが早くから日本へ来たのか。それは他の十一部族が西漸し、その途上に於いて人類の第二文明建設の中核となり、最後に彼等の祖モーゼの魂の故国である日本に到達しようとするその兄弟を迎える準備をする為である。以下先師小笠原孝次氏著「第三文明への通路」を引用しながら展望を進めて行くこととする。
〝その用意とは昔パレスタインで見失はれたエホバ(の神殿)が鎮座する本地が日本であることを知らしめ、その兄弟を招くために必要な歴史と原理の研究と、魂の修練と、実際の設備を整えておくことである。全世界から高天原日本に帰来する須佐男命月読命とその子等を迎える役目は、神代からの高天原民族としての日本人と、上古からの帰化日本人とが共同して行う為事である。こうした意味で現在の日本財閥の上には現実の企業経営を更に一歩超越した世界的・人類的な使命が存在している。その使命を自覚して歴史的大活動を開始しなければならなぬ時が来た。
 やがて使命の上に起き上がった日本の経済人達の先導によって全世界の支配を握る所謂ユダヤである経済力と権力の悉くがこの高天原日本に結集される。今日まで三千年間世界の支配権を掌握するために何故彼等が敢えて世界中の憎しみを背負いながら営々辛苦して来たか、それは彼等の神の祭壇に彼等が掌握した全世界の実権を捧げる為に他ならない。…〟
〝西漸のユダヤの(中核)は今米国まで到着している。太平洋を渡れば此処が彼等の本地日本である。…米国企業は悉くその経営の本拠・本店を日本に移転する。日本の経済界はもともとユダヤ民族が開発経営して来たところであって、これにその旧き同胞が合体するのである。アメリカは依然としてそのまま活発な工場であり農場であればよい。こうした姿が世界の権力がその獲たもの、持てるものの悉くをみずからの神に供えた形の一つである。〟
 世界の権力である須佐男命、大国主命、エホバ神即ちユダヤ民族が高天原の天照大御神の前に、その経済力・武力のすべてを捧献するのである。この事を古事記は「国譲り」と謂う。又この国譲を説得することを「言趣け」と呼んでいる。(この言趣けの際の経緯・手段は詳しく古事記「山幸と海幸」に呪示されているが、ここでは省略する。)国譲りと言ってもその実権を放棄してしまうわけではない。伊耶那岐大神の神命「汝が命は海原を知らせ」は未来永劫不変のものであり、須佐男命・大国主命は何処までも現実界の統治者である。唯ここ暗黒の三千年間は須佐男命が単独で人間の他の精神能力を差置いて独走して来た。これを神道で天津罪といい、キリスト教で原罪と呼んで来た。エホバが自身の方便として用いて来たその原罪を払拭して、生命の自己目的の自覚された高天原精神界の天照大御神の英智の光に摂取され、合一し、表裏一体となって協力して行くことが国譲りなのである。産業・経済・学術界を主宰する須佐男命、芸術・宗教・哲学の責任を負う月読命並びに言霊原理の法則に基づいて道徳・政治の統治神である天照大御神の三者一体となっての人類文明創造が人類社会の理想のあり方なのである。