現代スサノウの言霊 

太田龍のハード&ディープ「マネー」解説

⦿R・D・ウィリング曰く、「おかねは宗教である」と。しかしこの「宗教」の正体は、サタニスト的オカルト宗教であると。日本人は、今や、このサタニスト的オカルト宗教たるおかね(マネー)に取り憑かれ、洗脳されていることに気付くべき時

私の知る限り、本書は、これまで、西洋、欧米の思想家によって書かれた最も深く、マネー=宗教の形式の深部に迫った著書である。
この本は、193頁の小著であるが、その内容の水準は極めて高い。これは、日本民族憂国愛国の有志必読の書である。
R・D・ウィリングの『マネー12番目の究極の宗教“MONEY:THE 12TH&FINAL RELIGION”(2008年)は、小著のように見える。しかしこれは驚嘆すべき大著である。この本の著書R・D・ウィリングの物語は、ニクソン大統領のアメリカから始まる。つまり、40年近い昔、である。
R・D・ウィリングは、商業(コマース)、政治、宗教を、長い間、研究してきた。彼は、たまたま、不運にも、と言うべきか、米国史の2大事件の目撃者となった(ここの「コマース」は「商業」と日本では翻訳されるが、ここには、大きなズレが存在する。「コマース」は、「商業」より、ずっと大きく、深く、不吉な意味を持つ英語である)。
モンゴメリー・ウォードが、ウォルマート、として知られる巨大なグレード・マーチャント(大いなる商人、聖書では、重要な、有名な語句)へ変身した時、彼はそれに関与した。ここには、証券市場を舞台とした謀略があった。
2番目の事件は、ウォーターゲート事件である。9・11事件が発生する以前は、このウォーターゲート事件は、恐らく、この100年間、米国史上、最大の政治的ペテンであった。ウォーターゲートは、銀行問題である。銀行スキャンダルを隠蔽するためのこの政治的ドラマを目撃したことによって、著書ウィリングの権力観は変化した。
ニクソンは、FRS(米連邦準備制度)の廃止と、米国の通貨発行権を米国民の手に、つまり米国議会と米国政府、米国大統領の手に取り戻そうとした。これは、1963年11月22日に暗殺されたJ・F・ケネディ米大統領の路線の継承である。
ニクソンは、この目標を実現するために、有力な同盟軍を必要とした。彼は、住宅金融専門の多数の地方銀行、日本では信用金庫、信用組合に相当するような中小金融機関に、彼の同盟軍を求めた。ニクソンは、この目的のために前出の住宅金融専門中小銀行の全国組織の首脳部と提携した。ところが、ニクソンが同盟軍として信用していた人、人々が、FRB陣営に取り込まれた。つまり、裏切りである。
ここに、ニクソン追放のためのウォーターゲートスキャンダル事件の本質がある。
権力とその構造の真相を求めて、著者ウィリングは、ワシントンからカナダの都市、トロント、オタワ、モントリオールへと移住した。それは、精神によって導かれ、保護された旅であった。教授として、商業(コマース)を講義するかたわら、彼は、宗教の研究のために長い時間を費やした。この本を書くために、実に40年という時間が必要であったと。ため息が出て来るほどの長い時間である。
ウィリングはその後40年にこの2つの大事件の真相を徹底的に追求した結果、「マネー」が究極のサタニスト的オカルト宗教であるという驚くべき世界史的秘密を発見した。
彼がこの発見を出版しようとした友人は出版業者は、何者かによって暗殺された。
さらにウィリング自身が、命を狙われているという。
なんという経歴の本であろう。実際、アメリカ人、ヨーロッパ人の中から、時々、こんな桁外れの志を抱いた思想家、著述家が出現する。
およそ現在、全世界で毎年何百万冊の本が、出版されているのか正確には私は知らない。しかし、こんな運命を持って登場した著書、それはこの本以外存在するだろうか。「世界史に残る名著」「世界史の来るべき古典」とされるべき著書であろう。

⦿地球壊滅の凶悪犯モロクと「カルト273」は命じる「返済できなければ、命を差し出せ!」

ウィリングによればこの話は、「古代イスラエル」に由来する、エルサレム第2神殿なるものが歴史に登場する。 エルサレム第1神殿は破壊されたという。
通俗的世界歴史によれば、エルサレムは、シュメールバビロニア王国とエジプト王国、この2つの大帝国の真ん中に存在した貿易の中心地だった。
第2エルサレム神殿が再建されたという。
この第2エルサレム神殿の周りに必然的に当時の世界貿易センターが形成された。第2エルサレム神殿の周りに作られた貿易市場の中でマネー=貨幣が発明されたという。
エルサレム神殿の祭祀をする神官階級は、レビ人(神官階級)は、このマネー(貨幣)を取り扱う専門職として、「カルト273」を選抜した、といわれる。
「カルト273」の意味は、1万人につき273人の意味だという。
この「カルト273」が、カルトと成る意味は、彼らが、モロクの神を神としたことである。モロクの神の原型は、古代イスラエルの民族神モレクの神に由来する。
モレクの神とは、古代イスラエルの人々に向けて、その最初の男の子をモレクの神に対して、犠牲として、提供することを要求する、という。
つまり、このモレクの神は、古代イスラエル人に対してその最初の男の子を丸焼きにして、提供するよう要求するわけである。
モロクの神は「カルト273」から、マネーを借りるものに対して、犠牲を要求する。つまり、命を取られる。
金を借りるものは、モロクの神にその利子と元金を返済しなければならない。利子と元金を返済しないものは命を取られる。
つまりこれがマネーが究極の宗教ということの本当の意味である。モロクの神は容赦しない。
ウィリングによれば、これらは結局何を意味するのか。
ウィリングの理解するところによれば、これまでの人類の普遍的な宗教の神々は、人類に対して、大自然を保護育成する役割を課してきた。
にも拘らず、モロクの神が出現したことによって、人類は地球環境保全の義務を廃棄した。従って、人類は、地球環境壊滅の凶悪な犯人と化した。とウィリングは言う。

⦿「カルト273」とは何者か。「カルト273」は、2500年くらい前に古代イスラエルに出現して、今日のシティ・オブ・ロンドン、ウォール街、国際金融寡頭権力へ

この「カルト273」は、「レビ人」「レビ族」「祭司階級」とは別のカルトであると。彼ら「カルト273」こそ、今日のイングランド銀行と「シティ・オブ・ロンドン」、FRBとウォール街、要するに、国際金融寡頭権力の起源である、とウィリングは言う。
最近のテレビニュースによると、トップ273人の富豪は、地球人の人口の50%が所有するお金の合計額以上を所有する、などという。つまり、2500年前の「カルト273」が発展して、今日の中央銀行、大金融閥と成ったという。
この「カルト273」が、今日の国際金融寡頭権力体制に発展した、と。そしてこの「カルト273」は、モロク(モレク)の神を崇拝すると。つまり、モロクの神を崇拝する秘密結社(カルト)。この秘密結社=サタニズム宗教がマネーである。このような意味で、マネーは宗教である、と。
このマネー=宗教は従って、2000数百年の歴史を持つ、と。このようなものとしてのマネー=宗教が、日本に取り憑き、日本の神々を殺しつつある、と。この中枢、この核心をしっかりと掌握することによって、「日本の神々の蘇生」も、「西郷南洲精神の復活」も、完成させることが可能となろう。
西郷が対決したものは、このマネー宗教に取り憑かれた、大久保=木戸=岩倉らの売国奴一味だった。

⦿大宇宙、宇宙生命体、天然自然に対する公然たる反逆神が経済霊=エルサレム

R・D・ウィリングによれば、「エルサレム」は、土地の名前ではまい。彼は、「エルサレム」は、経済霊(エコノミック・スピリット)である、というテーゼを立てた。
それでは経済霊とは何者か。
経済霊とは、人類史上、地球史上、未だかつて出現したことのない現象である。経済霊は、有名なヨハネ黙示録の中に出て来る、「大いなる商人(グレート・マーチャント)」と同じものであるという。
「大いなる商人」とは何者か。それは、無限の価値増殖と同じものである。価値増殖とは何者か。それは、価値が価値を増殖するということである。
それは、利子が利子を生むということである。
「エルサレム」とは、土地の名前ではなく、価値が価値を生み、利子が利子を生み、負債が負債を生む。
そして、負債を支払うことがモロクの神によって、絶対的命令とされる。そのような宗教的義務とされる。その義務を拒否する者は殺される。エルサレムはそのような宗教的監獄を意味する。
要するにこれは、経済霊という神とは逆のもの。その出現が宣告されているのである。神とは逆なもの、とは何者か。
それは、宇宙とは逆のもの。宇宙の公理に対する反逆を意味する。要するのここでは何が問題か。
R・D・ウィリングが提出した決定的に重大なテーゼは、経済霊の出現である。
経済霊とは、言い換えれば、経済逆神である。経済逆神とは何者か。経済逆神とは、大宇宙、宇宙生命体、天然自然、これらのものに対する公然たる反逆を意味する。
ウィリングはこのように見た。
これが、ヨハネ黙示録においてサタンと同じ意味を有する「大いなる商人」のことである。何故「大いなる商人」がサタンと等しいのか。そもそも、エコノミックとは何者か。エコノミックと元金が利子を生む。元金とは資本を意味する。資本とは何者か。現代人類社会では、資本が利子を生むことは自明とされている。何者が資本にそのような権限、権力、システムを与えたのか。
今の人間は何も分からない。資本にそのような権力を与えたのは、モロクの神以外の何物でもない。
モロクの神はどこから現れたのか。
まさにそのことが、R・D・ウィリングによって、前面に、または正面に突き出されたのである。

⦿モロク教=宗教としてのマネーのサタニズムイデオロギーが日本に侵入したのは何時のことか。そしてそれはどのようにして日本を征服したのか

本書を読み進めていくと、日本人にとって、一つの根本的な大問題が浮上してくる。ここで展開されていくようなものとしてのマネー宗教、究極の宗教としてのマネー、モロク神を崇拝するカルト教、経済的スピリット…このような宗教が日本に侵入したのは何時のことか、という問題が。
ザビエルと共に、それは日本に入って来たと、説明することは出出来るであろう。それでは、中国に入って来たのは何時頃か。宋朝において、それは確固として根を張った、と一応見ておくことが出来る。宋朝は、日本では、平安時代から鎌倉時代初期に当たる。
ペリー米艦隊来襲(1853年)から、横浜開港(1859年)まで、僅か、6年である。今年は、横浜開港150年だそうである。横浜開港は、イルミナティサタニスト世界権力が日本をマネー宗教、モロク神の檻の中に入れることに成功したことを意味するであろう。
長崎と横浜。この2点を押さえられたことによって、日本は、すっぽりとイルミナティの檻の中に収監されたのである。そして、長崎と横浜から、滔々と、マネー教が入って来る。忽ちそのサタニズムイデオロギーは、日本全土に浸透した、ということであろう。しかし、ザビエル以来、300余年にわたって、ひたひたとサタニズムイデオロギーは、日本を毒化していった、のである。開国(1854年)と共に、そのイデオロギーは一挙に日本を征服し得たのだ。ここに現代日本の根本問題が存在する。
マネーは「究極の宗教」であるとウィリングは言う。キリスト教も、イスラムもその他いかなる大中小の宗教イデオロギー、宗教教団組織なども、全て、限定的である。それらは普遍性は持たない。しかし、究極の宗教としてのマネーは、普遍的である、とウィリングは言う。
15、6世紀以降、生まれた多くの社会主義、共産主義イデオロギーは、マネーの問題を取り上げなかったか?いやそんなことはない。
西洋に生まれたイルミナティのエージェント、正真正銘のサタニスト、マルクス、エンゲルス、レーニン以前の社会主義、共産主義思想の中にあるものは、「マネーの廃絶」を打ち出した。
それでこの話は、結局どんな結果になったのか。彼らは、イルミナティによって用意された迷宮に入り込むのである。または、迷宮へと誘導されたのである。
ここで、我々は、ユースタス・マリンズ著『民間が所有する中央銀行』(面影橋出版)を、そしてさらに、ザルレンガ著『失われた貨幣の科学』(未邦訳)を、とりわけ、R・D・ウィリングの『マネー12番目の究極の宗教』を、熟読しなければならない。

⦿キリスト殺害、イルミナティ13番目の血流の絶対的独裁者サタンがモロク

R・D・ウィリングのさらに最も重要なテーゼは、「最後の晩餐」である。「最後の晩餐」とは何を意味するか。R・D・ウィリングのによれば、「最後の晩餐」とは、モロクの神に反逆しようとした、イエス・キリストを、金30斤でモロクの神を代表とするローマ帝国の官憲に売り渡した。つまりイエス・キリストを磔にして殺した。そこことを意味するという。しかしまた別の要素も存在する。フリッツ・スプリングマイヤーは、『イルミナティ悪魔の13血流』の中で、イルミナティには13の血流が存在すると説明した。イルミナティ13番目の血流は、ニューワールドオーダーに君臨するサタンである。つまり、イエス・キリストを殺害して、全人類の上に君臨する絶対的独裁者である。つまり、モロクの神に反逆するということはそのような罰を正当化する。

⦿モロクの神は犯罪の神

モロクの神とは奇々怪々な神である。モロクの神とは、R・D・ウィリングのが究極の宗教、と述べたように、人類の他の全ての宗教と全く異質な宗教である。それは宗教とも言えないであろう。宗教とは、何らかの程度で、普遍的道徳律を人々に教えるものである。しかし、ウィリングによれば、モロクの神が要求するものは、ダブルスタンダードである。
2重の道徳基準である。2重基準とはどういうことか。2重基準とは、言い換えれば、詐欺である。
詐欺とは、犯罪である。
つまり、モロクの神が要求する道徳基準は、道徳ではなくて犯罪である。モロクの神は犯罪の神である。

⦿「ボヘミアの森」に、フクロウをかたどった、モロクの神の像が鎮座している理由

本書を読むと、かの悪名高き「ボヘミアの森」に、ふくろうをかたどったモロクの神の像が鎮座していることの理由が、非常に良く、分かってくる。
「ボヘミアン・グローブ(ボヘミアの森)とは、米国、カルフォルニア州に位置する、同名の秘密結社の所有地(森)を意味する。この秘密結社に近付くことは極めて難しい。欧米ないし全世界の秘密結社の重要メンバーを選抜する。そして、毎年、夏に、ここで、極秘の集会を開く、とされている。
この極秘の集会の一部が、ふくろうをかたどったモロクの神の像の前の広場での夜の儀式であるという。ここで、人身御供、つまり儀式殺人が行われるとも伝えられる。つまり、生け贄が焼き殺されるのである。このモロクの神への生け贄が、本物の、生身の人間なのか、それとも、人形なのか。それは、確かめられていない。
ジョン・コールマン博士は、サタニスト、アレイスター・クロウリーを「300人委員会の司祭長」と呼ぶ。彼は、生涯のうちに、約150件の儀式殺人の司祭をした、と言われる。つまり、クロウリーは、毎年、数件の儀式殺人を主宰していたことになる。西洋における秘密結社の秘密結社たる、その核心は、儀式殺人である。彼らが生贄を献げるその神は何者なのか。それはエホバ神なのか。それともサタンなのか。あるいはルシファーなのか。最後に、それは、おかねの神、つまり、モロクの神なのか。
これは、日本人には、創造を絶する世界である。日本人、とりわけ、日本の女性は、こういう話を見ることも、聞くことも、拒否してきた。しかし今や、状況は根本的に作り変えられつつある。タヴィストック研究所由来の日本民族に仕掛けられた心理戦争によって、日本人の若い世代の一部は急速にこの殺人ゲームに取り憑かれた。
ザルレンガは、約700頁の大著『失われた貨幣の科学』で、何を追求したのか。彼は、交換手段としての貨幣が、資本としてのおかね、利子の付くおかねに化ける、その過程を、意識的に研究したのである。
「失われた貨幣の科学」とは何のことか。それは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活動した、アメリカの貨幣学者、アレクサンダー・デル・マールの学説のことである。彼はそれを、ユースタス・マリンズの『評伝エズラ・パウンド』の中に記述の中に発見した。
交換手段としての貨幣の代表的なものは、アレクサンダー大王の国家の発行した金貨である。「カルト273」がアレクサンダー大王を邪魔者と判定して暗殺したことは、ウィリングの『マネー』が特筆している。西ローマが滅亡したのち、ローマ皇帝の金貨発行権は東ローマ(ビザンチン)皇帝の通貨発行権は、イスラム帝国に脅かされ、さらにカトリックの十字軍戦争によって、致命傷を与えられた、という。ビザンチン帝国の通貨覇権が崩壊したのち、数百年の通貨ヘゲモニー戦争が展開されたと、アレクサンダー・デル・マールの記述にもとづいて、ザルレンガは述べる。遂にオランダ、即ち、私営、株式会社としてのアムステルダム銀行が設立され、ここに、資本主義(キャピタリズム)とは何物なのか。
キャピタリズムの核心は、通貨発行権を、私立私営株式会社が独占する経済システムである。と定義することが出来る。
私営株式会社としての銀行が一国の通貨の発行権を独占する、ということは、一国の政府が、その国の通貨を、この「株式会社=銀行」から、利子を支払って借りる、ことを意味する。これは手品であり、魔法の如きものであり、正確厳密に言えば、明々白々たる犯罪である。「キャピタル」は「ストック」と言い換えても良い。「ストック」は、明治時代人によって、「株式」と、日本語に翻訳された。要するにここでは、「政府」ないし「国家」が、株式会社、と化するのである。
西郷隆盛は、明治初年、鋭くこの本質を告発して、そのことに、異議、を申し立てた。大久保、木戸、伊藤、井上らの新政府なるものの本質は、「商法取引所」であると。
国家政府の株式会社化。これが、近代西洋の本質である。そしてその前段階は、周知の如く、1千年の歴史を有するヴェネツィアである。近代西洋資本主義とは、ヴェネツィアの世界化、への道、を切り開いたものである、と言うこともできる。この視点を有する現代西洋の思想家、著述家として、私はこれまで、何十回となく、コールマン、リンドン・ラルーシュの2人を挙げてきた。ディズレイリが『コニングズビー』において、18世紀ブリテンの国家システムは、ヴェネツィアの国家システムの丸写しである、と述べていることについては、拙著『血塗られた英国王室』(雷韻出版、絶版)『ロスチャイルドの密謀』(成甲書房)の中で説明した。
ヴェネツィア型、株式会社国家は、オランダにおいて、西欧に初めて進出した。そのことの象徴が、アムステルダム銀行である。次に、アムステルダムを跳躍台として、ヴェネツィア型国家はブリテンに取り憑いた。その結果、17世紀、クロムウェル革命が引き起こされ、最終的に1694年のイングランド銀行の成立、シティ・オブ・ロンドンの形成、となるのである。シティについては、クヌース著『シティーの帝国』(邦訳は、日本義塾出版部)参照のこと。

⦿犯罪集団として生まれた「カルト273」

このことは何を意味するか。
それは、そもそもモロクの神の原点である、「カルト273」が、犯罪集団として生まれたことを意味する。

⦿利子現金の支払いを拒否する者は、モロクの神によって、問答無用で殺される

ウィリングは、レビ人と「カルト273」を比較している。レビ人は、古代イスラエル人の中で、神を代表する権威あるものであった。ウィリングによれば、「カルト273」は、レビ人の中の第1子から選抜された。さらに言えば、「カルト273」のメンバーは、レビ人を超えるもの。
レビ人の上にあって、新しく発明された「マネー」を扱うものとして、権限を与えられた。その権限とは、マネーを運用することによって、利子を取り立てるわけである。
利子現金の支払いを拒否する者は、モロクの神によって、問答無用で殺される。

⦿戦乱、動乱、虐殺、侵略、ホロコーストの神

ということは何を意味するか。
モロクの神は、従って、この二千数百年、戦争のなかった年は一年もなかったと言われるように、無数の戦乱、動乱、虐殺、侵略、ホロコーストによって、数百万人、数億人、数十億人、以下続々と罪なき者たちを問答無用で、ホロコーストしてゆく、そのような神である。

⦿モロクとはいかなる存在か。

このようなものとしてのモロクとはいかなる存在か。それは犯罪者、以外の何者なのか。

⦿神ではない神であるモロクの神

モロクの神に道徳はない。モロクの神には犯罪者という定義以外は存在しない。モロクの神はいかなる意味でも神ではない。神ではない神であるモロクの神とは何者か。

⦿モロクの神が50億の蜂を殺した

米国がモロクの神の最も完全に支配している国家であることは、自明である。その事実を照明する1冊の本が存在する。
『ハチはなぜ大量死したのか』ローワン・ジェイコブセン著、中里京子翻訳、文藝春秋刊(2009年1月)。
これは最近米国の養蜂産業が壊滅した、ということを入念に調査した著作である。この本によれば、約50億匹の米国の蜂の群れがばらばらになり、みんな死んでしまったという。
この著作の説明するところによれば、それは養蜂産業の商業化の必然な結果であった。これをズバリと言えば、モロクの神が50億の蜂を殺したのである。米国以外にこのような現象は報告されていない。徴候としては、米国以外にも存在するであろう。

⦿死物モロクの神を出現させる宇宙とは、全て死

モロクの神には、日本式に言えば、血も涙もない。岡潔先生式に言えば、モロクの神には、情がないのである。
情のない宇宙は存在するだろうか。ここにマネーの根本問題が存在する。モロクの神の支配する宇宙とはいかなるものか。それは、死物としての宇宙である。モロクの神が出現する宇宙とは、最初から全て死、である。最後もまた死、である。この死物としてのモロクの神を出現させる宇宙とは、全て死、以外の何物でもない。

⦿モロクの神に最もよく似ている存在。それは、イルミナティである。

ヘンリー・メイコウは、『イルミナティ:世界をハイジャックしたカルト』という本を出版した。世界を乗っ取った。とはどういうことか。世界を乗っ取るということは、世界の外部、世界の外、世界の外に存在することを意味する。
世界の外に存在するとは奇々怪々なお話だ。世界の外に存在するということは、モロクの神とよく似ている。
モロクの神は、世界の外に存在するのか、世界の内に存在するのか。
モロクの神は、宇宙の中に存在するのか。宇宙の外に存在するのか。
どっちなんだ。
モロクの神は、どっちでもない。どっちでもないとは何者だ。
大自然に「利子」などというものは存在しない。存在しないものを取り立てるとはおまえは何者だ。
モロクの神よ!
世界の外にいて、世界を乗っ取るとはお前は何者か。
イルミナティよ!
お前は何者でもない。
イルミナティよ!
お前は消え去るしかない。
マネーが宗教である。
という風な学説は、未だかつて、この世界に出現したことはない。
しかし、そもそも宗教とは何を意味するか。
胡蘭成先生によれば、
人類正統文明は、宗教なるものは持たない。
人類正統文明は、中国と日本のみである
そしてこの中国と日本には、宗教は存在しない。
これは極めて意味深長な説である。
宗教とは、人間を精神的監獄の中に監禁することを意味する。
あらゆる宗教がこの定義に合致する。
1神教とは、この監獄宗教の究極の形態である。
(『監獄宗教としての完成体としての1神教の正体』太田龍著、未公刊、学習参考コピー本、日本義塾出版部で取り扱い中)
つまり宗教=監獄である。