現代スサノウの言霊 

1.モロク神、マネー、イスラエル、カルト273

人類にトドメを刺す世界最大、最後の宗教「マネー」

これかは話すことは、ワシントンDCで私が体験したウォーターゲート事件に基づいている。マネーは一つの宗教と考えるべきではないか、という問いに対する答えを出すために、宗教研究に没頭した。そして明確な結論にたどり着いた。「マネーは宗教である!」。
19世紀の後半、宗教学は急速に発達した。蒸気機関と電信のおかげで、世界中を旅行して様々な宗教を比較検討することが可能となった。学者たちの研究成果によると、一般的に、この惑星には大別して11の宗教があり、大半の人間はそのどれかを信奉しているという。本書は、宗教一般について歴史的考察するのではない。たった一つの極めて先鋭的で突出した宗教について取り上げる。その主神は、「マネー」という、ごくありふれた日常の中に隠れている。
主要宗教の数を11と定めた時、学者たちは、この12番目の宗教をうっかり見落としてしまったようである。このマネー教は、あらゆる地で多くの人にあまねく実践されているという意味では世界最大の宗教である。人間界ではその“布教師”高利貸しのマネーとなって精力的に活動している。長い間、封印されていたマネーの秘儀は、生物圏を破滅へと導く魔力として解き放たれた。マネーは、人類にトドメを刺す最後の宗教となるであろう。

ニクソンは、高利貸しのためのFRSを、国民のために再構築せんとした

かの有名なウォーターゲート事件(1972~1974)は、本質的には究極の「宗教戦争」であった。この事件は、上院でのニクソン大統領の取り調べがセンセーショナルにテレビ放映されて伝えられた。ウォーターゲート事件関係者のテレビ・ドラマは「ワシントンポスト」紙とその上位系列のウォール街、ロンドン・シティーの一味によってドラマチックに創作され、リチャード・ニクソン大統領が米国金融システムを真摯に改革しようと試みた事実を、いとも巧妙に封じ込めた。もしニクソンが成功していれば、事実上、連邦準備制度(FRS)の支配力を無効にすることが出来たはずである。ニクソンの計画は、リンカーンの「グリーンパック(緑背紙幣)」通貨の方式で国の金融システムを、高利貸しのためでなく、国民のために再構築する内容であった。グローバリズムという経済の悪性ガンから米国を隔離するためには、グリーンパックは効果的なはずだった。
グリーンパック通貨制度の運営には、国の債務も利率操作による経済調整も必要ない。この新しい金融システムの発表を待っていた本部ビルは、ホワイトハウスに足が運びやすいよう、17番街の行政府ビルの向かい側に建設されていた。インディアナ通り101番地にあった今は亡き連邦住宅ローン銀行協会は、ニクソン計画の中枢を担うもの考えられていた。この新システムは、米国の中央銀行として振舞っていたFRSの高利貸し制度と国の陰鬱な債務を、中立・無力化するはずだった。
ウォーターゲート事件によるニクソン大統領の追放は、当時のポルノ映画の役柄にちなんだ「ディープスロート」という名の密告者の告発に基づいていた。この米国の金融革命の総参謀であったマーティン博士は、何故か変節して革命を投げ出した。ディープスロート役になることによって、彼の庇護者であったニクソンを二重に裏切り、全国規模の「アメリカの」システムを造る計画は挫折した。
プレストン・マーティン博士は、ニクソン大統領への忠誠を裏切るのと引き換えに、最終的には連邦準備制度の副議長に指名された。ニクソン大統領追放の背後にあった本当の動機は、撹乱情報によって隠され続けている。ホワイトハウスの内部関係者と思われるが、「ディープ」の真相と、民衆のためのグリーンパック銀行制度を作ろうとした肝腎なニクソンの計画は、いまだに隠されているのである。
利子と国の債務によって利益を得ている強奪集団は、ニクソン計画に対抗して、リチャード・ニクソン米大統領を解任に追い込むよう脚本を書き、工作した。舞台の裏で動いている全知にして未だに秘密の権力は、「超自然的というべきエネルギーがマネーを動かしている」ことを、一点の疑問もないほど明確に見せつけたのである。本書で明るみの出す内容によれば、その「超自然的存在」とは、中央銀行の仕組を利用して人類支配を完成させるために表の世界に現れつつある、旧約聖書のゴッド、ミルコム神殿のモロクであると理解すれば最も説明がしっくりとくる。

九・一一で「モロク神」(利益率)のため
殺された六百六十六人の国債トレーダー

常識的な思考の罠に囚われないようにするためには、現在持っている考えをひとまず脇によけておく必要があるだろう。無神論と多神教の立場を取るわけではないが、少なくとも本書をより深く理解する上では、いったん一神教の概念を柔軟にしておいたほうがいいだろう。唯一神という考えは、経済や金融を学ぶ上で障害となるだけではない。「イスラエル」という言葉の本当の意味を咀嚼することによって、より高次な「認識」を得ることが妨げられるからである。
「唯一神」という思考停止を取り除く、イスラエルが単なる地名であるという誤解を取り除けば、いかにしてモロクが、オーウェルの言う「二重思考」という言葉で知られるような、マネーの力を通じて、地球を支配しようとしているかについて、理解することができるであろう。「二重思考とは、一人の思考の中に、二つの矛盾した信条を同時に持ち、受け入れる能力である」
精神工学が発達した今日、固定観念に縛られた考え方を超克することは、今までになく重要である。神経科学と心理学に工学を融合させた精神工学では、電子的に思考をコントロールすることが可能であり、身体的な特性も極低周波で集中されたエネルギーによって破壊可能である。精神工学のマインドコントロールは非常に発達しており、人間の生命維持本能ですら無効にすることが出来ると言われる。航空機のパイロットのような人が、「神の声」に導かれていると信じて、自発的に高層ビルに突っ込んで自分自身も破壊してしまうのである。アラスカにあるHAARPには、電気エネルギー波を使って人々の思考に影響を与えたり、財産を破壊する能力がある。ハリケーンの進路を変えたり、天候を操作することも可能である。このような、高度先進技術を模倣した新技術を考慮すれば2001年9月11日の事件を理解することができる。
世界貿易センタービルの崩壊に関して、マスコミ報道は異常な畏怖の念にとり憑かれていまい、666人の国債トレーダーが一瞬にして殺される航空機衝突の明白な動機について、奇妙な沈黙を続けているようである。
一部の霊能者やオカルト信仰者、遠隔透視者によれば、世界貿易センタービルはモロク神を礼拝する祭壇であり、その破壊は、一つの時代の終わり、新たな時代が始まることを示す儀式であったそうである。

太古からある人類の掟「高利貸しによって生命を操縦しようとしないこと」

本書の研究のスタンスとしている道義的な枠組み・聖書理解は、古代から連綿と認識されてきたものである。例えば、その基本的な認識とは、聖書でもともと要求されている誓約そのままである。創造主と人間との間の最初の契約において、人間によって何よりも尊い仕事は地球の世話だということになった。これにより必然的に、この誓約の義務を果たすためには、二つの掟を守らなければならないことになる。この二つの掟は、最初の人類文明よりもはるか前から存在するものである。そして三つのタブーがある。
太古の時代から人類が守るべき二つの掟とは、①水を汚さないこと、②高利貸しによって生命を操縦しようとしないこと、である。高利貸しは、担保付ローン、分割払い契約、株式市場の金勘定の算式に端的に現れている。この基本的な二つの規則は、北米だけでなく全世界で守られていない。
本書の研究で依拠している倫理的なスタンスは、多くの民族の伝承に共通している三つのタブーを尊重することである。たとえば、死肉を家畜のエサにすることは禁止されている。このタブーを破り、死んだ動物をすりつぶし、食肉処理場の破棄物を牛のエサにした結果、狂牛病という災事によって既に明らかである。多くの分化で普遍的に共通認識されているもう一つのタブーは、聖書では明確に禁止されていることであるが、同性愛である。「女と寝るように男と寝てはならない。それは厭うべきことである。」(レビ記18章22節)。三番目の禁止事項は、現代の政治や商業では広範に推奨されていることであるが、種の混合させるタブー(レビ記19章19節)である。このタブーは、「多元文化主義」という多様性から発生する有害な影響を警告しているように思える。こうした多様性は、グノーシス主義の福音では、互いに姿の異なる者が性交することになるため。聖書の姦通に相当するとして非難される。今日の企業活動や政治活動が以上のような聖書の規則やタブーを軽視しているのは、人間の心を奪い合う大いなる戦いに宗教が敗北したということなのか、あるいは、マネーの秩序に基づくべ地の力が人類を支配しているということなのか、そのいずれかである事を示唆している。

モロクの由来を解読不可能でもない暗号で隠匿する聖書

現代のマネーの起源をたどっていくと、それは人類史にモロク神が登場した時期に当てはまる。マネーが発展してきた過程においては、聖書の諸宗派の権威が貢献しており、そこには皮肉な矛盾がある。モロク神と経済霊は、聖書の諸宗派の陰に隠れることで随分と利益を享受していたようであるから、一つ面白い疑問が生じる。そしも、聖書のヴェールを取り払ったならば、マネーの構造はどうなるのであろうか?社会にはどのような影響がでるのであろうか?聖書の暗号の中に、何か救済をもたらす代替案が隠されているのだろうか?
神の定めた規則を犯した者は罰せられるというのが、多くの宗教の伝承であり、特に一般的にユダヤ・キリスト教圏とされる宗教ではそうである。しかし、罪を犯したにもかかわらず、一度は激怒した神も、信じる者は許すという教義がある。さらに伝承された教えによれば、聖書の神は、時折予想外に激怒することがあるが、いかに人々が間違ったことをしても、決して見捨てることはないという。私はここで問題提起する。聖書の物語は、偶然なのか、意図的なのかわからないが、現代マネーと金融の神であるモロクの由来を隠蔽している。ところが聖書の文章は、比喩を使いながら、今日我々がマネーと呼んでいるものを発見する過程を暗号化して結構、雄弁に伝えているのである。

モロク神にとって消耗品の人類がどうなろうと無関心

マネーの「神秘のパワー」の始源は、ソロモンという聖書上の人物に関連付けることが出来る。ソロモンは、聖書の神「ミルコム」のために、ミルコム神殿を建設した。ミロコム神のまたの名を「モロク」という(666の「ミロク」が想起される)。
モロク神は、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の創造主(YHWH=エホバ、ヤハウェ。ヤーヴェ)としての神とは、全く異質である。通常、これらの神はいつも人々を赦し、人々の幸福を求め続ける存在である。モロク神は、人類がどうなろうと完全に無関心である。モロク神の統治する領域は、家族や地域社会、自然環境といったものを結び付けている人々の絆や人情は、役に立つこともあるが、基本的には邪魔なものとみなされる。
おおまかに言えば、過去数千年の皇帝による統治の時代は、人々がモロク以前の神々から離反していくことで終焉を迎えた時代であったと言うことが出来る。帝国の滅亡は、人々が神々を裏切ったことが原因であると言ってもよいだろう。そしてこんど過去2000年のモロク神の時代、その反対の動きを経験することになる。金融・投資・利子の時代が到来したことを受けて、モロク神が人々を見捨てていく過程にあると理解することができる。「慢性的な政府債務・利子稼ぎのマネー・資本利益率」として存在するモロクと「経済霊」の規則は、あらゆる形態の生命よりも最優先される。
一般的にユダヤ・キリスト教的と思われている聖書の話は、その大半が実はモロク神のことであると私は思っている。聖書の話には、現代のマネーを人類にもたらした「経済霊」の足跡と思われる暗号が残されている。経済霊の思想は、ある特定の知能の動かし方を促すものであり、それが集団で共有されれば狂信的なカルト思想となり得る。このカルト的知能は、心霊の次元から得られるものであるが、マネーの姿に変換される。そして、この洞察力を利用して恩恵を得るためにカルト(宗教集団、秘密結社)が組織される。その結果として、マネーに関する意思決定を行う儀式や規則によって、宗教思想は堕落し始める。経済霊に特有な倫理観とマネーは、道徳のダブル・スタンダード(二重基準)を要求し、そこでは多くの人々の犠牲によって悪賢い少数者が儲かるような仕組みとなる。この道徳のダブル・スタンダードがマネーの力を強化する。マネーをめぐる意思決定の当然の帰結として自然環境を汚染する。

守られていない人類の義務「自然と調和しながら繁栄させる」

聖書の創造について記された章節をみると、地球の世話人管理受託業務を締結した時、「モロク神」という敵対勢力の存在を想定していなかったようである。地球の世話人契約は、創世記に概要が述べられているのよに、神と人間の間の「健全な取引」である。その取引とは、人間が「神の代理執事となって」創造された楽園を維持管理させるお役を果たし働くならば、自然は人間の生命維持に必要なものを惜しみなく与えるという契約である。この聖書にある最初の契約は、時期的に全ての宗派に先立つものだろう。神との取引には、「選ばれたる民」という言葉もなければ、「イスラエル」という特定された土地名もなく、差別的なドグマもない。この普遍的な地球の世話人契約の義務の理念は、宇宙の意識からの要請としてここに登場したと見てよい。地球の世話人契約は、人類とその商業活動が、自然と調和して共に繁栄することを期待している。
環境を汚染して生物圏に甚大な被害を与えている現実は、「自然との調和した繁栄」という尺度で見れば、いかに地球の世話人業務が遂行されていないかを示すものである。空気や水や種子は、かつては神から惑星への自然の贈り物と考えられていたが、いまや純粋に商業主義的な目的だけの意思決定によって遺伝子操作などで自然の進化が歪められ、それを「発展」と詐称している。このような状況も、株式投資の計算からしてマネーが増殖されるなら許容され正当化される。明白なことであるが、生物圏の破壊を修正する解決策には、今までにない発想が求められている。
聖書は、約束を守らない時のことを予め警告している「この誓約を破った場合の刑罰は“死”である」と言っている。
聖書は、あらゆる宗教に対して、信仰しているか否かに関わりなく地球の世話人義務を履行しなかった場合のことを普遍的に警告している。この地球の世話人契約が最初の重要な契約であることからも、人類が初めから環境を破壊する可能性があることが分かっていたに違いない。
ここで提起したいことは、善悪の闘争に関する永年の議論に乱入することではなく、モロク神と経済霊が「カルト(狂信集団)」といってもよい形態で存在することについて深く考えてみることである。マネーのカルトの力は、聖書(ヨハネ黙示)で「大いなる商人」として知られる商売のカルトと、様々な点で似ている。モロク神のマネーの並外れたパワーは、善悪を時に応じ入れ替えることが出来、あるいは同時に善悪を兼ね備えるという離れ技が出来るところに存在している。その一例は、中央銀行という名前で世界中に流通しているマネーの事業形態に端的に現れている。現代の中央銀行の構造と儀式のルーツは、古代の神殿、特に伝統的なエルサレムの神殿、「慢性的な政府債務・利子稼ぎのマネー・資本利益率の神」モロクのために神話の人物「ソロモン」が建設した「ミルコム神殿」に見出すことが出来る。